旭化成講座「光と暮らし」6月20日

かるの

2012年06月21日 08:16

講師:旭化成ホームズ 菅野晋氏


※以下は聞き書きであり、全てを網羅している訳でなく、聞き間違いなどもある場合があります。ご了承ください。

 虹には主虹と副虹があり、水滴に光が屈折し反射し屈折して紫40度・赤42度で出ているのが主虹であり、水滴に光が屈折し反射し屈折して反射して紫54度・赤50度で出ているのが副虹である。

 眼には光を感じる錐体細胞の中の物質・ヨドプシンに青・緑・赤に吸収特性がある。この物質はビタミンAを主構造とした物質である。

 金色・ピンクは存在しない色である。
 脳jは色そのものを感じている訳ではなく、その色の周囲の色の様子に影響される。

 建築家・ルイス=I=カーンは「光が無い状態と暗闇の無い状態が光の無い状態である。」と述べている。
 画家は影から描く事で光の場所を決める。

 居間の照明は200ルクスなどと、Jis規格により定められている。
 日本の世帯当たりのエネルギー消費は諸外国より少ないが、照明に関しては高く日本住宅では照明に使用する電力が16%を占める。
 ビル管理法では750ルクスと定められている。
 曇天の自然光では38000ルクスでも明るく感じないのは、光の量が多いのが照度であるから。光が多ければ物がハッキリ見えるという訳ではない。
 
 メラトニンとはビタミンEの二倍の高酸化作用、美白、生体リズムの調節など、体に良い物質であるが外部摂取には副作用があり、体内で作らねばならない。
 夜に強い光を浴びるとメラトニンが分泌されないため、不眠の原因となる。それは明るすぎる住宅照明ではないかと思われる。それによる経済損失も生じている。眩しさは身体にも負担である。
 明るすぎ・白すぎる照明を高齢者が好むのは、家電メーカーの宣伝の刷り込みである。
 食事は周囲が暗い方が美味しく感じる。明るいと早食いになり、ファストフード店を見ればわかる。

 真の快適性を追求するには規格に準じるだけでなく、人が自ら選択・調整することで得られるものではないだろうか。人間工学の見地から光を考える必要がある。それには「照度から輝度」「対比の効果」「順応の効果」が必要である。
 JIS規格に当てはまらずとも、人の心地よさを数値化し、それを元に設計。


関連記事