熱海伝統の技 楠細工展
楠を使った熱海市の伝統工芸品を紹介する「熱海楠細工展」が開かれている。
熱海楠家具工芸組合の職人が手掛けた約三十点を一堂に集めた。
楠細工は、しっかりとした作りと防虫・抗菌効果の高さが売り。
展示には、伝統の技を駆使した引き出し、飾り棚、箪笥、文箱や名刺入れなどの小物のほか、職人が保管していた鏡台などを出品した。
漆塗りの深みのある色合いに来場者が感嘆しながら見入っていた。
熱海の楠細工は江戸時代末期の天保八年(1837)、台風で倒れた楠で村人が日用品を作ったのが始まりとされる。
湯治客の土産物や嫁入り道具などとして盛んに使われ、かつては三十軒を超える工房があった。現在は指物師三人と塗師二人が技を受け継ぐ。
熱海市・
起雲閣にて
28日まで。
静岡新聞より・作者一部加筆
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