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2009年10月22日
ふらっと LR 昭和33年9月26日
numazoo9月26日から始まった「あの時、沼津はどんなだった」ですが、個人的にコーナー名を「ふらっと LR」としました。
「ふらっと」は偏りなくという事で水平を意味する「FLAT」から。「ふらっと」聴いてほしいという所もあります。
「LR」は「放送を聴いて、新聞読んで」の「Listen & Read」、左右偏りなくの「Left & Right」からとしました。
今回取り上げたのは昭和33年9月26日の新聞。
一面には台風22号が接近とあります。
これは後に狩野川台風と呼ばれる大災害を引き起こす台風ですが、この日の段階ではまだ上陸していないのでそれほど緊迫した紙面ではありません。(27日からは災害報道一色になります。)
しかし、太平洋上では漁船が航行不能になって鳥島に漂着と言った記事もあり、この段階から被害は出ています。
この台風の前の台風上陸で、内浦湾の真珠養殖が一億円の被害を受けたため緊急融資という記事もありました。
一面内には、沼津市木瀬川地区に建設予定の屎尿処理施設建設を巡っての行政と地権者側との紛争があります。
見出しには「血の雨がふる」ともありますが、記事を読んで行くと「衝突時に血が流れる事態になる。」と地権者が言ったのを見出しには「血の雨がふる」となっており、やや意味合いが異なるニュアンスになっています。
毎回思うのですが、こういったことは決める前に大いにモメていただきたい。決めてからモメるのは莫大なエネルギーの損失です。
一面下のコラムには、郵便の遅配が6万通に上るとある。
昨今、郵政事業が民営化になって誤配遅配が増え利便性が低下した、という声が上がる事が多いが、この段階で「官による完全な仕事」は出来ていなかったことになる。
2面で最初に目に付いたのは心中話である。
清水市の男女が沼津市原の海岸の網小屋で服毒自殺をしたという記事だが、それに留まらずどんな交際だったかなど細かく記事にされており、ワイドショー並である。
更には沼津市出身の人が三重県で心中や、熱海の錦ヶ浦で自殺未遂などという記事も見受けられる。
愛鷹で米33俵盗んだ男逮捕も見逃せない。
一俵当たり60キロ程度だから、そんな力があるのなら真面目に働いた方が金になるのではないかと思うのだが。
沼津市のどこかは書いていなかったが、秋祭りの神輿担ぎで他の組と揉めて喧嘩なんて記事も。
神社繋がりだが沼津の神社で家出の二少女が21歳の男とゴロ寝という記事。
別にこの段階では事件でも何でもないのだが、新聞に載ってしまい男も犯罪者というわけで無いのに名前が出ている。
犯罪が多いので楽しい記事に行きたい。
三面には秋の行楽情報という事で、伊豆を中心に観光情報が載っているが、この日以後は伊豆各地で台風による災害で甚大な被害を被るので観光どころでないだろう。
映画情報を見ると、当時の沼津には映画館が10軒あるのだが、各々が違った作品を上映しており、今のようなシネコンが乱立しても同じ作品でパイの食い合いという状況ではない。
ラジオ欄を見るとニッポン放送が現在の1242kHzでなく1310kHzであった(詳しくはWIKI参照)。
この日、ドイツからサイドカーで世界一周の旅をしている夫婦が静岡県庁に到着という記事。
静岡から東京に向かったとあるので、目の前の旧国道一号線も駆け抜けたのかもしれない。
新聞によっては「独の貧乏旅行家」とあるが、サイドカーは乗用車よりも高価だし旅行自体に費用がかかるので貧乏旅行なんてものではないだろう。
最後の記事。
沼津市下香貫の主婦たちが生活雑器を用いた楽団を結成とある。
どんな物で音を出したかと見ると、「米をとぐ音」「スリこぎですり鉢をこする音」「ヤカンの蓋をガチャガチャさせる音」「七輪の尻を団扇で叩く」「ボウルの中を青竹でかき鳴らす」「タライと洗濯板」「まな板を包丁の背で叩く」「フライパンとシャモジ」などなど。
これらの「楽器」で敬老会などの地元のイベントで唱歌などを演奏していたそうだが、更に練習してベートーベンの曲にも挑戦したいと意気込んでいる。
よく言い訳として「○○が無いから」という言い訳を聞くが、本当にやる気があるならばとりあえずはある物でやってみるものである。この記事は現在のnumazooの精神も示しているのではないだろうか。
最後に次回の年月を決めるのにサイコロを振った所、1938年となりました。
次回の「ふらっと LR」は1938年10月24日に迫ってみたい。
その様子は10月24日のnumazoo放送局にて!
「ふらっと」は偏りなくという事で水平を意味する「FLAT」から。「ふらっと」聴いてほしいという所もあります。
「LR」は「放送を聴いて、新聞読んで」の「Listen & Read」、左右偏りなくの「Left & Right」からとしました。
今回取り上げたのは昭和33年9月26日の新聞。
音声はコチラのブログから
一面には台風22号が接近とあります。
これは後に狩野川台風と呼ばれる大災害を引き起こす台風ですが、この日の段階ではまだ上陸していないのでそれほど緊迫した紙面ではありません。(27日からは災害報道一色になります。)
しかし、太平洋上では漁船が航行不能になって鳥島に漂着と言った記事もあり、この段階から被害は出ています。
この台風の前の台風上陸で、内浦湾の真珠養殖が一億円の被害を受けたため緊急融資という記事もありました。
一面内には、沼津市木瀬川地区に建設予定の屎尿処理施設建設を巡っての行政と地権者側との紛争があります。
見出しには「血の雨がふる」ともありますが、記事を読んで行くと「衝突時に血が流れる事態になる。」と地権者が言ったのを見出しには「血の雨がふる」となっており、やや意味合いが異なるニュアンスになっています。
毎回思うのですが、こういったことは決める前に大いにモメていただきたい。決めてからモメるのは莫大なエネルギーの損失です。
一面下のコラムには、郵便の遅配が6万通に上るとある。
昨今、郵政事業が民営化になって誤配遅配が増え利便性が低下した、という声が上がる事が多いが、この段階で「官による完全な仕事」は出来ていなかったことになる。
2面で最初に目に付いたのは心中話である。
清水市の男女が沼津市原の海岸の網小屋で服毒自殺をしたという記事だが、それに留まらずどんな交際だったかなど細かく記事にされており、ワイドショー並である。
更には沼津市出身の人が三重県で心中や、熱海の錦ヶ浦で自殺未遂などという記事も見受けられる。
愛鷹で米33俵盗んだ男逮捕も見逃せない。
一俵当たり60キロ程度だから、そんな力があるのなら真面目に働いた方が金になるのではないかと思うのだが。
沼津市のどこかは書いていなかったが、秋祭りの神輿担ぎで他の組と揉めて喧嘩なんて記事も。
神社繋がりだが沼津の神社で家出の二少女が21歳の男とゴロ寝という記事。
別にこの段階では事件でも何でもないのだが、新聞に載ってしまい男も犯罪者というわけで無いのに名前が出ている。
犯罪が多いので楽しい記事に行きたい。
三面には秋の行楽情報という事で、伊豆を中心に観光情報が載っているが、この日以後は伊豆各地で台風による災害で甚大な被害を被るので観光どころでないだろう。
映画情報を見ると、当時の沼津には映画館が10軒あるのだが、各々が違った作品を上映しており、今のようなシネコンが乱立しても同じ作品でパイの食い合いという状況ではない。
ラジオ欄を見るとニッポン放送が現在の1242kHzでなく1310kHzであった(詳しくはWIKI参照)。
この日、ドイツからサイドカーで世界一周の旅をしている夫婦が静岡県庁に到着という記事。
静岡から東京に向かったとあるので、目の前の旧国道一号線も駆け抜けたのかもしれない。
新聞によっては「独の貧乏旅行家」とあるが、サイドカーは乗用車よりも高価だし旅行自体に費用がかかるので貧乏旅行なんてものではないだろう。
最後の記事。
沼津市下香貫の主婦たちが生活雑器を用いた楽団を結成とある。
どんな物で音を出したかと見ると、「米をとぐ音」「スリこぎですり鉢をこする音」「ヤカンの蓋をガチャガチャさせる音」「七輪の尻を団扇で叩く」「ボウルの中を青竹でかき鳴らす」「タライと洗濯板」「まな板を包丁の背で叩く」「フライパンとシャモジ」などなど。
これらの「楽器」で敬老会などの地元のイベントで唱歌などを演奏していたそうだが、更に練習してベートーベンの曲にも挑戦したいと意気込んでいる。
よく言い訳として「○○が無いから」という言い訳を聞くが、本当にやる気があるならばとりあえずはある物でやってみるものである。この記事は現在のnumazooの精神も示しているのではないだろうか。
最後に次回の年月を決めるのにサイコロを振った所、1938年となりました。
次回の「ふらっと LR」は1938年10月24日に迫ってみたい。
その様子は10月24日のnumazoo放送局にて!
Posted by かるの at 08:15│Comments(0)
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