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かるの
各地で歴史講座を展開中。歴史を知る事で、人生や地域が豊かになる事を目指して。
フリーマガジン「道の駅」にも寄稿中。
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2012年10月27日

「共感の魔法」樋渡啓祐武雄市長 10月22日

講師:佐賀県武雄市長 樋渡啓祐氏


※以下は聞き書きであり、全てを網羅している訳でなく、聞き間違いなどもある場合があります。ご了承ください。

「私の講演は最後の15分だけ大事なことを言いますから、あとは寝てていいです。
私は大人しい人間だと自負していますが、発言が過激らしいので、いつ刺されてもおかしくない状況なんです。」
「怪文書はたぶん日本で一番多くいただいているので、辞める時は日本怪文書集というのを三島のZ会から出そうと思ってます。」
「提訴を2件受けていて21億円の損害賠償請求を受けています。」
「そこで、いつ刺されてもいいように、葬式の時に流せるVTRを作って貰いましたのでご覧ください。」

VTR
「樋渡武雄市長は、42歳。元総務省官僚で平成18年に武雄市長選挙に立候補し当選。
現在、3期目ですが、平成20年に自治体病院の経営形態を巡る対立から市民グループが市長リコールの方針を固めたことに対し辞職で応じ、出直し選挙を行い(投票率80%と独裁国家並です)当選するなど、その行動力から多くの摩擦を生んでいるが、市民の為の行動である。ソフトバンクの孫さんも樋渡市長のことをファンキーな市長と述べている。」

樋渡市長
「今日は三島の人は何人居ますか?(6割ほどが挙手)。三島以外の静岡県内の人(3割ほどが挙手)。県外の人(1割)

自治体の数は1719。6年前、早稲田大学で講演した際、武雄市の知名度は全くなかった。カンボジアのタケオ市ですら知られているのに。佐賀県自体、長崎の西とか言われたり、四国の方とも言われました。有田焼や伊万里焼は佐賀と思われておりません。

しかし、知られてないということは実はメリットと捉えます。ブランディングを自由に描けるから。武雄市の名産は何ですか?ととっさに聞かれて勢いで自分の好きなレモングラスと答えてしまった。言った時は無かったですが、6年経ってレモングラスは名産になりつつあります。この6年で様々な事を仕掛けて来ました。

まず、赤字であった市民病院の民間移譲。これも選挙の争点になりましたが、現在では一億円の黒字、病院を核にした医療の町としてのまちづくりで雇用は400人増えました。

日本図書館協会からは民間企業に委託する事で、利用者の秘密を守るとした図書館の自由に関する宣言に違反することや、労働環境の悪化などに批判が出ている。
が、経費削減につながり、365日朝9時開館、21時閉館、雑誌は150種類用意、本や雑誌、CDの販売も行い、スターバックスも入る。CCCとの提携によりTポイントも付与される。

利用者のデータ収集に関しては、従来の図書カードの利用者は従来通り返却時に記録は消去される。Tカード利用の人に関しては収集されるとして、選ぶ余地を市民に与えている。
市民アンケートでも7割の方が賛成している。
運営側のカルチュア・コンビニエンス・クラブではメリットはまだ見えないと述べているが、公共施設を委託するという事で社員の士気も上がっている。


自分の所が無名であるなら、有名な人を呼んで知名度を高める努力をしています。売名行為とも言えます。勢いのある方と組みたいものですから、橋下徹氏や孫正義氏を呼んだり、逆に(選挙やボランティアに)応援に行ったりして電子媒体に武雄市の事とセットに取り上げられるようにしました。今では仲が良いと思われています。

先程、武雄市は選挙の投票率が高い事を述べましたが、CATVで議会中継の視聴率は50%超、議会の傍聴者は400人前後、ユーストリーム中継では2000人が視聴しています。たかだか四万人の町で。しかし白熱した議論であれば議会中継も見る人が居ます。、説明用のディスプレイを用いて、市民にも解り易く議論します。議会でよくつかわれる言葉で「検討します」というのがありますが、ウチではそれは通用しません。ハッキリした回答でないと即市民から取り上げられます。

私は以下の6つのキーワードを柱にしています。「組む」「反省せず」「過ぎる」「笑わす」「劇場化」「スピード&オープン」これは北朝鮮と同じです。
北朝鮮の様な小国がなぜニュースになるのか。それは大国と交渉するからであり、ニュースになるタイミングで事を起こす。自治体もそうであるべきと思っています。

 組む、というのは、いろんな人と連携すること。自分達にない力は連携で補完するという考えです。

 反省せず、というのは、過去の失敗を反省すると暗くなるし、前向きではない。だから、前を向く、ということ。失敗は失敗と認めた時が失敗であって、成功するまで続ければよいと松下幸之助も言っています。

過ぎる、というのはなんでも過ぎる人でないと人はついてこない。面白くない。仕事でも趣味でも休みでも過ぎる事で大きな事が出来る。

 笑わす、というのは楽しくないとエネルギーが続かない、ということ。面白ければエネルギーが持続する。そして大きな対立も和らげて、新たな展開も見込めます。

  スピードこそ、最大の付加価値であります。公務員は仕事が遅い、と思われがちですが、リスクを取らないから最もスピードがあるはずなんです。仕掛品でもよいので、政策をどんどんと外に出す。そのことにより民意や知恵を得て、必要なら修正すればよい。
橋下徹のトークの師匠は、デーブ・スペクターなんです。最初5秒の見た目が大事。自身を示す時には胸を反って話す。最初の5秒で人心をつかむ。
皆さんも市役所職員に遅い遅いと言わないでください。言い続けられればやる気もなくなりますから、本当に遅くなってしまう。たまには速いねと言って下さい。

世界の人口を考えてみましょう。最も人口が多いのは中国13億人、次いでインド11億人、そしてフェイスブックの利用者は10億人と、世界の6人に1人が利用している。
日本の利用者は1500万人。

武雄市は「facebook city課」を設置しました。
高齢者は、フェイスブックなどできないと思われがちだが、孫や娘に代筆してフェイスブックで武雄市にメールが送られています。
市のホームページをフェイスブックに移行し、デザイン代やサーバー代などがかからないので維持費が600万円から200万円になった。アクセス件数は月5万件から現在380万件です。

儲かる自治体、稼ぐ自治体を目指し、「F&B良品」という市の産品を扱った通販サイトをフェイスブックで展開し、始まって1年間で、これまで70品目1000万円の売り上げがあります。「F&B良品」とはSB食品と無印良品のパクリであります。
「F&B良品」は、手数料がかからないほか、専属のカメラマンを無料で手配します。出品費用や中間マージンを排除することで、消費者も安価に商品を購入出来ます。以前、R市場へ出店して100万円かかっていた出店者が今は経費O円となりました。
正に楽市楽座であります。これで市民の所得が向上すれば武雄市の税収増にもなります。
ネット上の道の駅の地場産品売り場とも言えます。
オリジナリティも大事ですが、既存の物を組み合わせていくべきです。そして組み合わせは自分の趣味と合わせれば上手く行きますし楽しいです。レモングラスもそうでした。
amazonや楽天などの大手事業者には出品できない小規模零細な事業者の皆さんに機会を作る、そして武雄のファンとも物の販売を通じて、交流を深める。通販で売り上げという面もありますが、それを通じた物語の消費をする仕掛けであります。

今の人は単にモノを買うだけではなくて、モノガタリを買いたいと思っている。それは普段から醸し出されるものでなければ通じない。
  これも市ホームページをFB化して、共感を生み出す活動を続けてきた武雄市だからこそできたのです。
このノウハウを他市に提供して、真似してもらって、そこでも連携して同様の取り組みを増やしていきたい。自治体のロールモデルを作り、またそのためのプラットフォームを他の自治体に先駆けて武雄市が作り出すことに付加価値を見出してます。

こう述べていると成功事例が目立ってはいるが、やったことの7割くらい失敗しています。
今までみたいに全体のパイが大きくなる状況ではないので、言う事やる事が無条件に成功するなんて事はありません。物事の成否を問うならば何もしない方が良い訳です。しかし全く動かないで批判するだけの人は単なる観客でしかない。同じ舞台に立ってから批判して欲しい。何もしないでの失敗は万死に値しますが、職員が挑戦して失敗したときは問題ないです。

10年前からマスメディアの取り上げた情報が話題にならなくなって来た。ネットワークの進展により、マスな情報より身近な人の口コミの方が影響力を持っています。
アップルの製品は新たな体験を売りこんできますが、最近の日系メーカーの製品は性能でしか売り文句が無い。性能はどこも似たり寄ったりなので、決定的な売り文句にならない事に気付いていないのです。
ゆるい参加からファンとなり、ロイヤルカスタマーとなり、エヴァンジェリストとなるようにする事が必要です。
武雄市の職員には全員にFBアカウントを持たせて、勤務中もやらせています。ただ、単なる市の情報ではなく、市での体験を載せろと言ってます。職員のFB発信により武雄市のファンを増やす訳です。
 ただ、デジタルはアナログの補完でしかない。例えば従来の広報紙では評価が職員に伝わらないが、FBだとリアルに反応が返るのが職員の励みになっています。

日本人は考え過ぎで行動が無い。私は深く考えないでとにかく出す、だめなら取り消す。そしてホラを吹く、しかし言い続ければ実現します。
 武雄市では、市長はCEO兼会長であります。そして、副市長が社長であるが代表権がない。
 業務執行は副市長を頂点とするピラミッド型構造のラインで処理をするが、組織の外との関係や組織内でも樋渡市長が自由に刺激を与えることで 職員の意識の変化を起こし、全体として変革を進める体制である。職員ができないことを、市長がやる、という体制です。独裁 すれども統治せず、なのだそうです。選挙で市民に選ばれたのだから、独裁させてくれと言いたい。期限付きの独裁なのですから。施策が間違っているならば選挙で選ばなければいい訳だから。
首長は、4年間何もやらないければ無難に次の選挙に当選するかもしれない。何もしないのが一番いいということになるが、そんな多くの失敗をしている私を武雄市民は支えてくれているわけです。

 みんなが知っているエリア、地理的にも日本の真ん中。今、求められているのは連携、それと共感、口で伝える、アクション、発信、共感、で日本を引っ張っていってください!




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Posted by かるの at 08:06│Comments(1)受講日記
この記事へのコメント
共感で日本を引っ張る。素晴らしいですね。
Posted by 吉沢アキラ@天才研究 at 2012年10月29日 18:19
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「共感の魔法」樋渡啓祐武雄市長 10月22日
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