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2008年05月23日
富士山より高みを目指して
裾野市須山での教育後援会に行って来ました。
講演者である渡辺篤太郎氏は、宇宙開発事業団(NASDA・現宇宙航空研究開発機構=JAXA)に入ってからロケット開発に携わり、H2Aプロジェクトマネジャーをつとめた方である。
午前中は小中学生向けに語ったということで、大変わかりやすくロケットと宇宙飛行について語られました。
第二次大戦中にドイツ軍が開発したV2ロケットが、燃料にジャガイモから作ったエタノールを使っていたとか。石油系燃料の方が出力がありますが、当時の技術ではエンジンが耐えられなかったそうで、エタノールにも水を25%も添加していたという。
迎撃不可能でロンドン市民を恐怖に陥れたV2ロケットはジャガイモ焼酎で飛んでいた(無論、厳密には焼酎とは違うが)、というのは驚きでした。ジャガイモというのがドイツらしいのかもしれないが。
しかも、燃料をアルコールだと飲んでいた人も居たそうで。
現在のロケット燃料は液体酸素と液体水素でありますが、この技術は60年代には確立されている。そこから技術的な進展がないように思えるが、次世代の燃料としてベリリウムやフッ素を用いる事が考えられているそうですが、毒性の強さなど技術的にまだ確立していないようです。
ロケットの重量は大半が燃料ですが、それは缶入り飲料とほぼ同じ比率とか。しかも構造も似ていて、中身が入っている状態では強度があるが、中身が無くなって圧力が抜けると途端に強度が無くなる。ちなみに渡辺氏は年に一度アルミ缶の重量を量っているそうですが、毎年軽量化が進んでいることに感心しているとか。
この話を聞くとスペースシャトル・コロンビアが断熱材が燃料タンクに落下して爆発事故、というのもわかる気がします。当初は、宇宙を飛ぶモノが断熱材が当たった位で、と思いましたが。
それだけ、計量化との闘いとなるそうですが、開発に際して機体重量がグラム単位で重たくなっただけでも設計やりなおし、あるいはお蔵入りになったものもあるとか。
渡辺氏も宇宙に行けるかと思っていたが、60年代から開発が余り進まず宇宙に行けなかったのが残念だったそうです。
スペースシャトルもあと二年で退役となり、往復可能の宇宙船としてソ連型のカプセルタイプになるという先祖返りとも言える現象が口惜しいとか。
しかし、宇宙技術の発展を肌で感じられた時期に携われて幸運だったと。 まだまだ技術的に確立されていない所が多々あるので、若い発想の技術者によって技術的なブレイクスルーが楽しみだと。
久々に科学技術系の話を聞けて面白かった。地元にこんな人が居たとは驚きです。
講演者である渡辺篤太郎氏は、宇宙開発事業団(NASDA・現宇宙航空研究開発機構=JAXA)に入ってからロケット開発に携わり、H2Aプロジェクトマネジャーをつとめた方である。
午前中は小中学生向けに語ったということで、大変わかりやすくロケットと宇宙飛行について語られました。
第二次大戦中にドイツ軍が開発したV2ロケットが、燃料にジャガイモから作ったエタノールを使っていたとか。石油系燃料の方が出力がありますが、当時の技術ではエンジンが耐えられなかったそうで、エタノールにも水を25%も添加していたという。
迎撃不可能でロンドン市民を恐怖に陥れたV2ロケットはジャガイモ焼酎で飛んでいた(無論、厳密には焼酎とは違うが)、というのは驚きでした。ジャガイモというのがドイツらしいのかもしれないが。
しかも、燃料をアルコールだと飲んでいた人も居たそうで。
現在のロケット燃料は液体酸素と液体水素でありますが、この技術は60年代には確立されている。そこから技術的な進展がないように思えるが、次世代の燃料としてベリリウムやフッ素を用いる事が考えられているそうですが、毒性の強さなど技術的にまだ確立していないようです。
ロケットの重量は大半が燃料ですが、それは缶入り飲料とほぼ同じ比率とか。しかも構造も似ていて、中身が入っている状態では強度があるが、中身が無くなって圧力が抜けると途端に強度が無くなる。ちなみに渡辺氏は年に一度アルミ缶の重量を量っているそうですが、毎年軽量化が進んでいることに感心しているとか。
この話を聞くとスペースシャトル・コロンビアが断熱材が燃料タンクに落下して爆発事故、というのもわかる気がします。当初は、宇宙を飛ぶモノが断熱材が当たった位で、と思いましたが。
それだけ、計量化との闘いとなるそうですが、開発に際して機体重量がグラム単位で重たくなっただけでも設計やりなおし、あるいはお蔵入りになったものもあるとか。
渡辺氏も宇宙に行けるかと思っていたが、60年代から開発が余り進まず宇宙に行けなかったのが残念だったそうです。
スペースシャトルもあと二年で退役となり、往復可能の宇宙船としてソ連型のカプセルタイプになるという先祖返りとも言える現象が口惜しいとか。
しかし、宇宙技術の発展を肌で感じられた時期に携われて幸運だったと。 まだまだ技術的に確立されていない所が多々あるので、若い発想の技術者によって技術的なブレイクスルーが楽しみだと。
久々に科学技術系の話を聞けて面白かった。地元にこんな人が居たとは驚きです。
Posted by かるの at 02:53│Comments(0)
│店主