東京電力第８８回株主総会の現場を見に行く。②

　10：35、別の人が動議を出す。
　「日本のみならず世界からも注目されている株主総会である。NHKとニコニコ動画による生中継の許可を与えよ。そして議決権を正確に数えよ。」
　勝俣会長
　「その必要はないと考えている。ご了解をたまわりたい」と述べ、理由も言わずに採決は行われなかった。

　東電の記者席担当者。「10：30時点の株主総会参加者は3841名」 と述べる。
　議案報告が続く中、質問の声が上がるが無視。

　会社側の議案報告が終了し、株主提案の報告に入る。

　10:49、第5号議案を株主提案した方。
　「原発事故による経営危機に際して生まれ変わる意気込みが必要である。営業地域を含めた『関東電力株式会社』と名称変更すべし。」
　と述べる。
　株主提案であるが、今の段階でそれをするべき時期ではないと思う。商号変更に伴うコストが勿体無い。

　10:55、猪瀬氏登場。怒号と歓声の交錯。猪瀬氏が話そうとすると、勝俣会長が「出席番号を言って下さい。そして質問は三分以内に。」と突っ込み。猪瀬氏はイラついた様子で続けようとするが、再度さえぎられ出席番号を述べて株主提案説明
　猪瀬氏、
　「東電の定款には問題が有る。定款に企業理念が書かれて居ない。「社内での競争原理導入」などを明記せよ。定款に「宿泊施設およびスポーツ施設の経営」など、電気事業以外の事が未だに書かれている。不必要な事業は売却、それを定款に書くべし。本当ゼロから改革するために必要。
　東電が所有する老朽火力発電所について、民間事業者を活用し、効率的で環境負荷の少ない火力発電設備のリプレースの推進を。
　長いこと地域独占してきたので、問題は根深い。あらゆる情報を開示するよう提案する。
　徹底した費用対効果の検証を求めたい。東電の発注資材は特別な様式で、事実上、常に取引がある会社しか参入できない状態である。
　最近、スマートメーターを2700万台を調達するにしても4社だけだ。しかもその通信網として1000億円の光回線を敷設するというが、通信事業者に任せればいい話だ。
　政府調達に準じて国際標準品の活用を促進するなど、設備投資に競争原理を導入し、コスト圧縮を達成すべき。」

続く…。