メルマガ購読・解除
 
アクセスカウンタ
オーナーへメッセージ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 7人
プロフィール
かるの
各地で歴史講座を展開中。歴史を知る事で、人生や地域が豊かになる事を目指して。
フリーマガジン「道の駅」にも寄稿中。
no">

2012年05月10日

富士常葉大学 旭化成講座 「現代社会と科学技術」 5月9日回

5月9日「電池技術の変遷と私たちの暮らし リチウムイオン電池が変えるこれからの世界」


講師:旭化成 吉野研究室フェロー 吉野彰氏


 ※以下の文面は聞き書きであり、講座の全てを網羅しているわけではありません。聞き違いによる所  もあるかもしれませんので、その辺り、ご了承ください。
   この項では、「リチウムイオン二次電池」を「LIB」と略します。

 社会の変革は30年周期で循環すると思われる。1965年はナイロンを始めとする素材の変革、1995年はITの変革。では2025年はどうなるのか。
 1981年にIT社会の到来を見通して新型二次電池の研究を始めた訳ではないが、その予兆は感じていた。

 ITを支える3種の神器として、①眼(液晶ディスプレイ)、②頭脳(LSI)、③心臓(大容量二次電池)
 エジソンの時代から変わらずに使われている三種の鈍器(?)とは、銀塩写真(イーストマン&コダック発明)、レコード、二次電池(ニカド電池はエジソン発明)は如何に姿を消したか?

 銀塩写真はデジカメの登場により駆逐されたと考えられているが、デジカメ登場当初はむしろ売り上げは伸びていた。それは当初のデジカメの画素数が少なく品質にはまだまだ銀塩写真に優位性があった。
 富士フイルム某役員曰く、
 「銀塩写真事業は或る製品が出たその日に消えて無くなっていった・・・。」
それは、カメラ機能付き携帯電話であった。
 
 シャープが携帯事業に参入した際、後発であったため他メーカーとの差別化を図り、レンズを付けた。そもそも携帯電話にはレンズさえ付ければカメラになりうる機能が既に用いられているからである。
 しかし当初は全く売れなかった。開発担当者は吊るし上げとなり、キャリア・広告代理店を交えての対策会議が開かれた。なんでこんな物を作ったのかと詰め寄られた開発担当者はとっさに
 「写真撮ってその場で送れるんです。」
と答えた。こうして「写メール」というキャペーンが展開されると共に、「写真はプリントするもの」という概念が無くなってしまったのであった。
 富士フイルム某役員曰く、
 「単なる技術変化ではなく、価値観の変化が忍び寄っていた。」
 イーストマンコダックという銀塩写真フィルムの発明し、その分野では世界最大の企業が倒産したのも価値観の変化を読み取れなかった…。

 コードレスとは電源コードを無くす事、ワイヤレスとは通信ケーブルを無くす事。
 新型二次電池の研究に入った1980年代の頃、
 「今はコードレスが話題になっていますが、この先はワイヤレスの時代が来ます。その時には二次電池が更に重要になりますよ!」
との声を聞いた。

 
「負極をカーボンとする新型二次電池研究の歩み」

①東レ   「高分子焼成体で負極」         →審査請求されず、研究中断。
②鐘紡   「低結晶、高表面積炭素を負極」   →キャパシタ的特性を追求も、LIBには至らず。
③三洋化成「炭素負極、カルコゲン正極」     →概念まででLIBには至らず。
④三菱油化「中結晶性炭素で負極」         →ソフトカーボンを継続的に開発
⑤旭化成  「特定炭素負極、Li含有酸化物正極」→LIBの原型を開示、製品化へ。

しかし、当初は特許が通用したが、「特定炭素負極」という文言からカーボンメーカーがあっという間に素材技術を更新してしまった。
最初に魚を釣り上げた人は必ず憂き目を見るので、対策を講じておく事。

 ワイヤレス給電技術には、①電磁誘導型、②電場磁場共鳴型、③電波受信型
 リニアモーターカーは浮上しているのでワイヤレス給電技術が不可欠。現在のリニア実験車輛には車両にディーゼル発電機を設置しているが、実用化の際にはワイヤレス給電が行われるであろう。
 高速道路にも、車線にワイヤレス給電できるようにしておき、そこを走った車両がそのまま充電でき、ETCで充電分の決済も行うようになる。

 今まで、LIBの市場はIT関係の小型バッテリーが主であったが、これからは電気自動車などになっていくであろう。その革命的普及が2025年であるかもしれない。





同じカテゴリー(受講日記)の記事画像
富士竹類植物園
スルガ銀行 D-loboセミナー 二千年前の夢
彦根 城めぐり 火縄銃サミット
海洋深度掘削調査船「ちきゅう」を見に行く。 講演会編
富野由悠季氏講演の現場を見に行く
南九州と静岡を結ぶ縁
同じカテゴリー(受講日記)の記事
 イギリスと日本をツナいだ船乗り 三浦按針:ウィリアム・アダムス (2013-08-05 08:14)
 富士竹類植物園 (2013-07-17 08:18)
 東日本大震災から二年 現場から生の声を聴く 島田市にて (2013-03-26 08:08)
 「共感の魔法」樋渡啓祐武雄市長 10月22日 (2012-10-27 08:06)
 旭化成講座「感光性樹脂~週刊誌から半導体まで」7月11日 (2012-07-21 08:16)
 「真野文二と沼津兵学校」平成22年3月27日 (2012-07-08 08:17)

Posted by かるの at 08:15│Comments(0)受講日記
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
富士常葉大学 旭化成講座 「現代社会と科学技術」 5月9日回
    コメント(0)